書評

「『もうイライラしない! 怒らない脳 怒る自分、キレる他人に対処する科学的メソッドを読んだ感想!怒る自分、怒る相手と決別したい人にオススメの本!」

「『もうイライラしない! 怒らない脳 怒る自分、キレる他人に対処する科学的メソッドを読んだ感想!怒る自分、怒る相手と決別したい人にオススメの本!」

『もうイライラしない! 怒らない脳 怒る自分、キレる他人に対処する科学的メソッド』は、脳科学者である茂木健一郎さんが書いた本です。
「キレたりイライラするときは、『脳』が勝手に怒っているのです」と話す著者から、怒りに対処できる、「怒らない脳」になるための方法を学ぶことができます。

茂木さん自身も以前はよく怒っていたそうですが、今は怒らなくなったということで、著者の経験を通して、なぜ怒らなくなったのかということも知ることができます。
怒りっぽい性格をどうにかしたい人、怒っている相手にどう対応すればいいかを知りたい人にオススメです。

怒らなくなるのは人類の究極の目的

茂木さんは、

大げさに聞こえそうですが、私自身は「怒らない人生を送ることが人類の究極の目的」だと見なしています

と本書で話しています。
怒らないほうが良いことは何となくわかりますが、その具体的な理由は何でしょうか。

茂木さんが怒らなくなったのは、

・怒っても、相手にとっていいことがない 
・怒っても、相手は変わらない 
・相手の一部分だけを見て怒っている

の三つの理由があるからだそうです。
このことについて納得する人は多くても、実際に意識している人は少ないと茂木さんは言います。

イライラしながら、あるいは怒りをフツフツとたぎらせながら、仕事をしたとしても、いい判断はできないし、アウトプットもできません。

だから、なぜ怒らない方がいいのか理由を明確にし、

怒らないことを目的

に、その方法を実践していくんです。

怒らないほうがいいとわかっていても、つい怒ってしまったり、怒るのをやめられなかったりすることがあります。
怒らないための方法を実践するまえに、まずは「怒り」とは何なのか、怒らないほうが良い理由を明確にして、自分に意識させることが大事だと思いました。

本書の1章では、「怒りのモト」は何なのか、人は何に怒るのか、怒らないほうがいい理由は何なのかなどについて知ることができます。
今一度、「怒る」ということについて整理できる内容です。

怒りを先送りしていく

茂木さんによれば、

怒りの先送り―。怒らない人は、これを無意識に実践しています

ということです。
「怒りを先送りする」とはどういうことでしょうか。

「怒りを先送りする」というのは、

目の前でイライラすることがあっても、「別に今でなくてもいい」

と今ある怒りを先送りにして怒らないようにすることです。
ですが、それができる人とできない人では何が違うのでしょうか。
茂木さんは、私たちがカーっとなって怒ったりしてしまうのは

脳が過剰に反応してしまったから

だと言っています。

脳が怒りに「ハック」されてしまっています。
怒りにハックされた脳は、もはや自分自身をコントロール不能な状態にさせます

ということです。

一般的に快/不快のどちらであれ、その感情をコントロールするのが、前頭葉

で、

怒るか怒らないかは前頭葉次第

だそうです。
この前頭葉のコントロールができるかどうかが、怒らない人と怒る人の差だそうです。
本書で、幼稚園児に対して行われた実験が紹介されています。
それは

幼稚園児の目の前にマシュマロが一つ乗った皿を置きます。
実験する大人が、「15分後に私が戻ってくるまで、マシュマロを食べずにガマンできたら、もう一つあげる。食べてしまったら、二つ目はあげない」と言い置いて、出ていきます

というものです。
ここで我慢できた子どもたちは、前頭葉をコントロールできているといいます。

楽しみを先送りにできる

人は、前頭葉をコントロールできる人だそうです。

まず、カーっとなって怒ってしまったりするとき、「気持ちをコントロールできなかった」と思うのではないでしょうか。
ですが、怒っているのは「脳」だという事実に驚きました。
また前頭葉のコントロールは主に子ども時代に養われるそうですが、大人になってからでも身につけられるということです。

2章を通して、「怒り」が起こるメカニズム、「怒り」と「脳」の関係、「怒らない人」と「怒る人」の違いなどを知ることができます。

うまくいかない自分を言葉で慰めよう

「怒り」について理解したところで、自分の怒りを抑えるにはどんな方法があるんでしょうか。
茂木さんは、自分の怒りを抑える方法の一つとして

負け惜しみをする

という方法を紹介しています。

茂木さんは、例えば

コンペで競合に負けたら、「いいリハーサルになったよ」「競合も大したことないな」と、思いっきり負け惜しみしてみましょう

と言っています。
負け惜しみと聞くと、あまりよくないイメージがありますし、言い訳ではないかと考える方もいると思いますが。
けれど、茂木さんによれば

負け惜しみは、専門用語では「認知的不協和音」と呼ばれる心の働きに関係します。
よくないことのように思われがちですが、必ずしもそうとは言い切れません。
少なくとも怒りを抑えるうえで十分に役立ちます

ということです。
だから負け惜しみを利用して怒りを鎮められるよう、

うまくいかない自分を言葉で慰めよう

ということなんです。

負け惜しみにあまり良いイメージはないし、私自身も言い訳だと考えていました。
何かに負けてしまったり、悔しい思いをしたとき、怒りの感情が先に来ることはあると思います。
そんなとき、怒ってしまうくらいなら、自分を鎮めるための負け惜しみは言ってもいいんだなという考え方は、とても新鮮でした。

3章で、自分の怒りを抑える方法、そして相手の怒りを抑える方法について、4章で、怒りを伝える方法について、まとめられています。
日常で「怒り」について悩むことがある方は、一度実践してみてはいかがでしょうか。

やったことがないことにチャレンジしよう

怒らないためには、普段からどんな自分でいればいいのでしょうか。
茂木さんが紹介する怒らない習慣の一つが

慣れないことをやってみる

ということです。

茂木さんによれば

慣れないことをやると、「怒らない脳」に変わっていきます

ということです。
慣れないことをすることで

視野が広がり、脳の回路が強化される

んです。
茂木さん自身も脳科学者ですが、小説や俳優にも挑戦しています。
プロの小説家や俳優に及ばないと思いながらも、なぜそのように活動を広げるのか。
それは

慣れないことをするのは、自分がまだ知らないでいることを知るため

だといいます。

自分の無力さを痛感することで、許容範囲が広くなります。

そうやって脳を活性化することが、「怒らない脳」を作ることにつながります。
だから

やったことがないことにチャレンジ

するんです。

確かに、慣れないことに挑戦すれば我慢強くなるようには思いますが、それが怒らないことにもつながるとは思いませんでした。
慣れないことに挑戦することで、

脳内ではやる気のモトとも言えるドーパミンが分泌されます

ということです。
さらには、「怒らない脳」も作ることができる。
挑戦することは怖いことでもありますが、挑戦したい理由が一つ増えたと思いました。

5章では「怒らない人になる習慣」について知ることができ、10の方法が紹介されています。
誰でもできる方法ばかりですので、怒りっぽい性格を治したい人はぜひ読んでみてください。

まとめ

全6章で、「怒る」ということについて書かれた本書。
最後の章では、SNSの時代の怒りなど「21世紀の新しい怒り」について語られています。
カーっとなって怒ってしまうことや、そんなに怒る必要がなかったのに怒ってしまって後悔することは誰でもあると思います。

そんなとき気持ちを抑えられなかったと思って、嫌な気持ちになるものの、また同じことをやってしまう。
また怒っている人にどうやって対応したらいいかわからない。
…そんな自分の「怒り」や他人の「怒り」に悩む方にオススメの一冊です。