書評

「『たった一人の熱狂 仕事と人生に効く51の言葉』を読んだ感想!自分の生き方に不安のある人、自分に渇を入れたい人にオススメの本!」

「『たった一人の熱狂 仕事と人生に効く51の言葉』を読んだ感想!自分の生き方に不安のある人、自分に渇を入れたい人にオススメの本!」

『たった一人の熱狂 仕事と人生に効く51の言葉』は、角川書店に勤め、41歳にして取締役編集部長に就任し、その後、幻冬舎を設立した見城徹さんが書いた本です。
本書は、「755」というトークアプリで見城さんが発した言葉を土台として、全面的に再構成され書き下ろされたものです。

数々のヒット作を生み出し、今や誰もが知る日本の企業を作り出した著者から、仕事や人生、愛や死についてなど、人生論を知ることができます。
自分の仕事や人生に不安がある人、自分に渇を入れたい人にオススメです。

何かに入れ上げなければ天職には出会えない

今の仕事が、天職だと思っている人はどれくらいいるでしょうか。
すべての人が天職に就けないとしても、自分にとっての天職を見つけたいと考える人も多いと思います。
編集者として生きてきた見城さんによれば、

何かに入れ上げなければ天職には出会えない

ということです。

トークアプリ755で、

「常に熱狂し続けられる編集者という天職に、見城さんはなぜ巡り会えたのですか」

という質問をよくされるそうです。
それに対して、見城さんは

天職と出会いたいのなら、自分の内なる声に耳を澄まさなければ駄目だ

と言っています。
見城さんにとっては、少年時代は本だけが唯一の友だちであり、

アナザープレイスへの強烈な欲求を満たし、この世で孤独感と寂しさを癒してくれるのは本だけだった

そうです。
人と関われるようになった高校時代も読書好きは止まらず、

飯やトイレの時間も惜しいほど読書に入れ上げた

といいます。
だから、読書は人生そのもので、編集者の仕事を選んだことも必然だったそうです。

職を転々としながら、茫然とした気持ちで天職を見つけようとしても、巡り会えるものではない。
自分を痛めながら何かに入れ上げる。生き方の集積が全てを決める

ということなんです。

端から見れば、それほど入れ上げることができる好きなことがあるなんて羨ましい、と思うかもしれません。
けれど、どんなに好きなことも常に向き合うこと、また仕事として行うことは、苦しいものでもあるのではないでしょうか。
それさえひっくるめて、「入れ上げる」。
編集者という仕事をやり込んできた著書から、天職を見つけることは、決して優しいものではなく苦しさを伴うものなんだと知ることできます。

第一章では「仕事に熱狂する」ということについて語られています。
自分の仕事に不安や迷い、悩みがある人に効く言葉の数々が紹介されています。

結果が出ない努力に意味はない

自分自身が後悔しないために、「圧倒的努力」を続けてきた見城さんに言わせれば、

結果が出ない努力に意味はない

んです。

努力することに意味があるなどと言うのは単なる人生論であって、仕事に関して言えば「成功」という結果が出ない努力に意味はない

といいます。
成功すると「運がいいですね」と言う他人がいる。
そんなとき見城さんの口癖は

「これほどの努力を、人は運と言う」

だそうで、心の中では

「俺はあんたの100倍血を流し、努力しているのだ」

と思っているそうです。
それはもう「圧倒的努力」であり、圧倒的努力とは

人が休んでいるときに休まずに動く。
どこから手をつけたらいいのか解らない膨大なものに、手をつけてやり切る。

そんな、苦難を極めるものです。
例えば、見城さんは、五木寛之さんに原稿を書いてもらうために、25通もの手紙を書き続けました。
それもどんな五木さんの原稿にも発表された5日以内に感想を書いて送ることにし、内容も相手を刺激する感想を書くようにしていたそうです。
結果、それまで付き合いのなかった角川書店で五木さんに原稿を書いてもらうことができ、50万部の大ヒットになったということです。

この世には二種類の人間しかいない。圧倒的努力を続ける人と、途中で努力を放棄する人だ

 

できるかできないかではく、やるかやらないかの差が勝負を決する

んです。

「努力」という言葉を聞くと、反射的に「良いこと」だという印象を受けます。
しかし「努力」もそれぞれで、自分は意味のある努力をしているだろうかと考えさせられました。

「もうダメだ」からが本当の努力

なんです。

見城さんの「圧倒的努力」の凄さを知って、自分自身の考えややり方の甘さに渇を入れたくなる内容です。

小さなことこそ真心込めろ

仕事ができない人間には共通点があると、見城さんは言います。それは

小さなことや、片隅の人を大事にしないこと

だそうです。

そんな人間に大きな仕事ができるわけがない

んです。

これまで編集者として、様々な人と関わってきた著者は

数多くの人と関わる仕事をするのであれば、他者への想像力は必須だ

と語ります。
小さな仕事を一つずつ細かく成功させて、積み重なった信頼が大きな仕事につながるのであり

100万人に1人の爆発的な成功者はとても神経が細かい

といいます。
見城さんは、新人編集者時代、コピー取りの仕事をしていたそうですが、その枚数は400枚~600枚。
半年任されたその仕事を1枚も間違えなかった自信があるといいます。
そして、コピーを取るついでに自分用にも1部コピーし、空いた時間でそれに朱を入れて直し、トレーニングをしていたそうです。
そのコピー取りのお陰で編集者として鍛えられたと話しています。
つまり、

つまらなく地味な雑用でも自分の心がけ一つで黄金の仕事に変わる

ということです。

小さなことを大切にするだけで、人生は大きく変わっていくはずだ。神は細部に宿るのだ

と話しています。

この本で読むだけでも、一体生きている間にどれだけの仕事量をこなし、どれだけの人に会ってきたのか、著者のバイタリティーには驚愕します。
そんな話を聞いていると、一見小さなことにはむしろこだわらないように思ってしまいますが、全く逆なことに驚きました。
どんな小さなことでも約束を守ることは当然ながら、小さな仕事でさえも自分で黄金の仕事に変える、この気づきと努力を自分もしたいと思いました。

第二章「圧倒的結果を出す」では、見城さんの仕事の仕方、ポリシーなどを知ることができます。幻冬舎での話などを興味深く読み進めつつ、仕事の仕方について考えさせられます。

現実と格闘しろ

見城さんは

安易な考えで起業などするべきではない

と言っています。

起業にせよ就職にせよ、覚悟をもって現実と格闘しなければならない

んです。

見城さん自身も幻冬舎という企業を立ち上げた起業家ですが、

圧倒的努力と破産してもいいという覚悟がなければ起業などすべきではない

と話しています。
そして、トークアプリ755で就職が決まらず困っていると嘆く人に、

厳しい言い方だが、何も仕事が見つからない人は背筋が曲がっているのではなかろうか。すべては生き方の集積だ。
現状に甘んじ、当たり前の努力すらできない生き方をまず変えるべき

だと言い、就職が決まらないのも、自分自身のせいであると厳しく諭します。
ですが、

逆に言えば、今から生き方を変えればいい

とも言っています。
今の生き方を変えることで、未来の結果を変えていくんです。

覚悟を持って現実と格闘した先にしか大きな結果はない

んです。

厳しい言い方だと思いましたが、その通りであり、就職などに関しては今後より一層「生き方の集積」が重要になってくると感じました。
技術の発達で、無くなる職業があると言われる今後、自分の「生き方の集積」で自分の価値が決まると思います。
今、自分が積み上げているものについて考える必要があると思いました。

第三章「起業は甘くない」では、今や誰もが知っている幻冬舎という企業を立ち上げた著者から、起業について、経営哲学についてなど学ぶことができます。

今日という1日は、死から最も遠い日だ

見城さんは、幸せの定義について、幸福の尺度は人それぞれなのだから、自分が満足できていればいい、

死の瞬間に後悔しないように今、熱狂するだけだ

と言っています。

例えば失敗して落ち込むような時があっても、今起きていることはすべてプロセスで、それによって人生がすべて決まるわけではない、

最後の勝負は、死ぬ時にあなたがどう思うかだ

と見城さんは言います。金持ちだとか、貧乏だとか、有名だとか無名だとかいうことは

幸福を測るうえでの相対的な基準

でしかなく、

要は死ぬ瞬間に自分が満足できていればいい

んです。

死という視座から現在を照射すれば、今自分がやるべきことが鮮明に見えてくる

といいます。だから見城さんは、今日の夕食すらおろそかにしません。
その一度の夕食さえも、貴重な一回の夕食と考えます。

「今日という日は死から一番遠い」という峻厳な事実を胸に刻み、今この瞬間を熱狂しながら過ごしたい

そう考えて生きているんです。

本書で見城さんが紹介しているアメリカ先住民の言葉に

「君がなんとなく生きた今日は、昨日死んで行った人たちがどうしても生きたかった大切な明日だ」

というのがあります。
年齢的に死が近づけば、「死ぬ」ということもリアルに感じられるかもしれませんが、この先住民の言葉は心に響くものがあると思いました。
それぞれが、自分が死ぬときに、「幸せだ」と思える生き方をすればいいんだと考えました。

第四章の「切なさを抱えて生きる」では、人やお金について、幸せや親孝行などについて語られています。
著者の人生の体験、生き方を知りながら、自分自身の今を振り返ることができます。

まとめ

死ぬときに後悔しないために、圧倒的努力を続け、走り続けてきた見城徹さん。
本書では、一章から七章に分けて、仕事や起業だけではなく、影響を受けた人物や恋愛、ゴルフや麻雀、ワインなど、様々なことに対する見城さんの考え方を知ることができます。

やってきた努力、生み出してきた結果を知ると圧倒されますが、見城さんの生き方が詰まったこの本の言葉から熱を感じ、自分の生き方にも熱を持たせたくなります。
もっと自分自身の人生を真剣に一生懸命生きたいと思っている人、自分の生き方に不安を感じている人に、熱と覚悟とやる気をくれる1冊です。