「『GIG WORK(ギグワーク)』を読んだ感想!今の働き方・生き方に不安を感じる人にオススメの本!」
『GIG WORK(ギグワーク)』は、出版社で10年間、ベストセラーを連発する編集者として活躍し、現在は独立して、プロデューサー、作家、編集者としてあらゆるコンテンツのプロモーションなどに携わっている長倉顕太さんが書いた本です。
自身のことを「凡人のための人生戦略家」と呼ぶ著者が、
真面目に資本家でも労働者でもないギグワーカーとして、楽しく生きる術
についてあますところなく書いています。
今の働き方や人生に漠然とした不安を感じている人、やりたいことが見つからないと悩む人にオススメです。
「人生をギグれ!」
この本で長倉さんが提案したいと言っているのが、
「人生をギグれ!」
ということです。この本のタイトルにもなっている「GIG(ギグ)」とは、どういう意味でしょうか。
長倉さんが住んでいるサンフランシスコでは、「ギグエコノミー」が結構前に話題になっており、資本家でも労働者でもない存在「ギグワーカー」というものが生まれたそうです。
もともと「ギグ」という言葉はジャズミュージシャンの間で使われていた言葉だそうで、ライブハウスなどで単発の演奏を行うことをいいます。
つまり「ギグエコノミー」とは、
プロジェクトごとに参加したり、空き時間を使って参加したり、さまざまな形で会社員という形でなく労働することを指す
んだそうです。
プロジェクト単位で仕事をこなす、そのときに最適な存在として仕事をこなすことで、自由であり続けることができるという、そんな生き方を提案しています。
今後どんどん、世界はギグエコノミー化するといいます。
定年も終身雇用も、年金制度も何も確実ではなく、これまでのような働き方を続けても安定なんて保障されていない。
でもやりたいこともわからない、自分はこれからどう働けばいいのかわからないという人もいると思います。
そんな読者に長倉さんは
「何を選択するかはどうでもいいから、選択肢を増やすことだけを考えろ」
もし、あなたが「やりたいことがない」というなら、なおさらギグワーカーを目指すべきといっています。
この本全体を通して、世界はどうなっていき、今どんな生き方・働き方が必要か、あるいはできるのか、知ることができます。
人はコンテンツがなければ生きていけない生き物
これからは、
コンテンツの扱い方に長けている者ほど、この世界では優位に生きられるのではないかということです。なぜなら
人はコンテンツがなければ生きていけない生き物
だからです。
今、私たちは多くの情報を手に入れることができます。
そして人間は膨大な処理ができる脳を手に入れており、意識的か、無意識的か、常に何かを思考しているといいます。
そこで重要なのが、思考する根拠です。
何をどう信じるのか、判断するのか、その基準が欲しくなるから、人はコンテンツを求めるといいます。
だから、世界はコンテンツ化していくし、コンテンツを制することができる人が、これからの世界では優位に生きていけるのではないかということです。
コンテンツと聞くと難しく感じるかもしれませんが、確かに何か考える根拠を得たくて、Amazonで本を買うし、ネットでニュースを読むし、誰かのブログを参考にします。
つまりより多くの人が思考する根拠、コンテンツを作り上げたり、扱えたりする人が優位に立つ。
このことはこれからの世界でますます広がっていくように感じました。
また、そのコンテンツ、情報を発信すること自体、もうすでに誰でもできる世界なんです。
今の世の中がどれほどコンテンンツ化し、コンテンツビジネスが広がっているかなど、いくつかの例をあげて説明されています。
自分にはどんなコンテンツを発信することができるのか考えさせられました。
環境→感情→行動
行動しようとか、行動することが大事だとか、よく言われますが、そもそも長倉さんによれば、
行動にいたるまでのメカニズムは、環境→感情→行動
だということです。
行動しようと思っても、なかなかすぐに行動できる人は少ないと思います。
ですが、長倉さんによれば、多くの人が感情から変えようとするから行動できない、行動できないことを「ヤル気」のような感情のせいにしてしまう、といいます。
私たちはなぜ行動を変えるのでしょうか。
行動を決めるのは環境
です。
私たちは環境に合わせて行動を変えます。だから、
行動を変えようと思えば環境を変える必要がある
環境が変わって初めて、感情や行動もついてくるということなんです。
感情任せにしていると、一時的に気分があがって行動できても、環境が変わっていない限り長続きはしないといいます。
何かしたいと思って、行動しようとしてもモチベーションを維持できなくて、なかなか行動できていない私にとっては目からウロコな、そして耳に痛い話でした。
でも、これを理解していれば、自分が行動するためにはどういう環境に身を置くべきか、考えるようになると思いました。
行動力をアップしたいなら、今すぐこの
環境→感情→行動
のメカニズムを自分に取り入れるべきだと思えるお話です。
コンテクストがすべてを決める!
人は何に感動し、価値を感じるんでしょうか。
コンテンツは大事ですが、それがただあるだけではダメで、そこにはコンテクストがなければならないんです。
コンテクストとは、文脈や背景のことです。
人はコンテンツを手に入れることで、それに付属するストーリー(コンテクスト)の一員になっている自分に価値を感じたいと思っているのではないかということです。
例えば、ジャニーズのファンクラブでも、何かのクラウドファンディングでも、価値を感じているのは、そのコンテンツ、商品や音楽CDそのものではなく、彼らを応援している、力になれているというコンテクストの方だといいます。
自分次第でなんでもできるという自由な時代に、その自由に「何をしたらいいかわからなくなる」、多くの人がそんな状況に陥るのではないかと長倉さんは考えています。
コンテンツを得てストーリーの一員になり、誰かや、何かを応援する自分に価値を感じ、その不安から逃れようとするんです。
だから、コンテンツの価値を決めるのはコンテクストであり、コンテクストが重要になってきます。
世界がコンテンツ化することがわかり、コンテンツを作り出そうとしても、どんなコンテンツがいいかわからないと思います。
大事なことは、人がどんなことに感動し、価値を感じるかということを知ることで、それがコンテクストなんです。
確かに、何かの一員になれているという感覚は心地いいもので、今の時代に多くの人が求めている感覚ではないかと思いました。
そんなすごいコンテクストは自分にはないという人にも、著者は「凡人のための人生戦略家」として
人生全般の戦略作り
について解説しています。
世の中ってのは、ギブ-テイク=チャンス
チャンスは誰でも欲しいと思います。そのチャンスを掴む方法として、長倉さんは
損するように生きろ!
といっています。
そもそもオレたちの人生はテイクしまくりだということを認識したほうがいい
ということです。
今、自分が本を読めているのも、誰かが本をつくってくれて、印刷してくれる人がいて、今本を買えるお金があって…
生きているだけでテイクしまくり
なんだから、このテイク以上にギブ(還元)をしまくらないといけないということです。
そして、
今の時代に必要なアティチュード(態度)は、「自分を還元する」
ことです。結局自分は
「今できることしかできない」
んだから、それを周りに役立てるように考えることが重要だということです。
チャンスの可能性は、その還元の先にあるということをわかってもらいたい、といっています。
自分は普段どれくらい人に還元できているだろうかと改めて考えさせられました。
「テイクしまくり」だということを考えると、全然足りないようにも思います。
そもそも、もうもらっているんだから、それ以上に与える、そういうスタンスの先にチャンスがある、ということは当然のことのようですが、私自身新しい気づきでした。
チャンスを掴みたいなら、
「損する」くらいの意識で生きろ!
ということです。
まとめ
この本では、他にも、人生をコントロールするアウトプット術や、情報を発信する方法などについて、具体的に語られています。
やや乱暴な言葉づかいもありますが、その分本心で伝えようとしていると感じられます。
「好きな場所で、好きなときに、好きな人と仕事をする」
、そんな未来を手に入れるために、この「ギグワーク」という生き方がヒントになるということです。
これからの働き方はどうなるのか、やりたいことが見つからないなど、仕事と生き方について悩む方に、生き方のヒントをくれる1冊です。