書評

【書評】『セカンドID』を読んだみた感想!今の自分でいいのか悩んでいる人にオススメ!

【書評】『セカンドID』を読んだみた感想!
今の自分でいいのか悩んでいる人にオススメ!

『セカンドID』は、芸能活動を休業して世界を旅し、その後、映画やイベントの制作を始め、現在は代表取締役、クリエイティブ・ディレクターとして活躍する小橋賢児さんが書いた本です。
俳優から旅人、病人、マルチクリエーターなど、いろいろなアイデンティティを生きてきた著者が、これからの世界を生きるために、セカンドIDをもつという生き方を示しています。
自分の人生、これでいいのか悩んでいる人にオススメです。

「セカンドID」をもつことが、人生の旅をさらに楽しくしてくれる秘訣

この本が伝えたいこと、そしてこれからの世界で私たちに必要だと思える生き方が、
「セカンドID」をもつことです。

決して裕福とは言えない家の鍵っ子だった小橋さんは、俳優の世界に入りますが、30歳を目前にして夢や希望を失います。
芸能活動を休止して旅に出た後、本格的に留学。
帰国するも病気を経験し、そこから10万人を集めるフェスのクリエイティブ・ディレクターになります。
小橋さんは、俳優という世界を飛び出して、いつもと違うコミュニティに参加することで、出会うはずのなかった人に出会ったといいます。
そこで新たにチャレンジすると、いままで気づかなかった、あるいは忘れてしまっていた「もうひとりの自分のID(アイデンティティ)」に出会えたそうです。
価値観や生き方が多様化する今の世界では、それは人生をさらに楽しく、有意義にしてくれるものだといいます。

これまでの世界はどちらかというと、みんなが同じように勉強して働いて…ということが良いとされてきたように思います。
ですが、多様な価値観が認められてきた今、働き方も、生き方も人それぞれで、それは今後もって広がっていくものだと思います。
そんな世界では、いろいろな経験が人生に生かせるのは本当で、そのことを小橋さん自身が体験しています。
今いる状況を変えることを恐れることなく、新しいものに飛び込んでみてもいい、そう思えました。

この本を通して、自分が今持っているIDは何か、自分には他にどんなIDを持つことができるのか、考えさせられると思います。

人生にワクワクが見つからないのは、自分の枠から出ていないから

「ワクワク」というと、子どもっぽく感じるかもしれませんが、誰もが人生に「ワクワク」を求めていると思います。
今、ワクワクを感じないとしたらそれは、自分の枠から出ていないからかもしれません。

小橋さん自身も「相手に合わせてしまう自分」「空気のような存在になってしまっている自分」に苛立ちを抱えていた時期があったそうです。
自分の日常生活にこれでいいのかと思いながらも、慣れてしまって「ワクワク」することを何も見つけられない人もいると思います。
ですが、小橋さんはいろいろな経験をしてきて、そういう日常のなかにも楽しいことに出会うチャンスは転がっているといいます。
自分の枠から外れて行動することで見えてくるものがあるそうです。
例えばそれは、「苦手だと思っている人と話す」というようなことでもいいんです。

「自分の枠から出る」というから、世界を旅するとか、もっと大胆なものかと思いました。ですが、それは「苦手な人と話す」とか、「最近話していなかった家族と話す」とか、すごく身近なものでした。
普段していないこと、避けていることをするというのは抵抗があるかもしれません。
ですが、自分の日常で「たまにはあえて違う方向へ進む」ということが、これまでと違うことに出会うチャンスだったとしたら、やってみてもいいと思いました。
どんなに大きなことも、小さなことも、やってみたことしかその先はわからないんです。

自分にとっての「枠から出る」ということがどういうことかを考えると、自分が普段していないこと、避けていることが見えてくるんじゃないでしょうか。

行動は誰にでもできる錬金術

今の自分を変えたい、そのために何をするのがいいか、小橋さん自身が実践して示している効果的な方法が行動は誰にでもできる錬金術ということです。

今の状況を打破したい、何かを変えたいと思うなら、どんな小さなことでもいいから、とにかく行動して今いる「場」を変えてみる。
小橋さん自身も俳優だったころに、

「自分の心が気づきはじめているのに、その場をうまく取り繕っていることが本当に苦しくて、逃げるように芸能界を休業する方向へ進んでいった」

そこから世界を旅するという決断をして、その結果、今の場所にいます。

「場」を変えるということは、なかなかできないことだと思います。
多少の疑問が自分のなかにあっても、安定して生きていければ、その場所に留まってしまう気持ちもよくわかります。
ですが、自分の人生にまだ可能性を感じていたいなら、「場」を変えて行動したほうがいいと思いました。

錬金術と言えるほどの変化が、小橋さん自身にあったからこそ、行動することを強くすすめているんだと思いました。
何かも迷っている人を、とても後押ししてくれる内容になっています。

自分の中の常識と、それとは対極にある世界を知る

自分の中の常識と、それとは対極にある世界を知ることで、本当の自分、自分の中心が見えてくるということです。

これは、小橋さんが仏教の教えである「中道」という考えを大切にしていることからきています。
自分が知っている世界が常識だと考えていると、違う世界に触れたときに、自分の常識が全く通用しません。
だから、自分の考えや環境とはまったく反対側の世界を体験したり、想像したりすることが大切だということです。
そしてひとつの極(自分の常識や考え)にとどまらずに、両極を知れば、必ずいままで出会ったことがない自分に出会える可能性が大きく広がるというのです。

確かに、例えば海外旅行に行ったとき、日本に住む自分の常識が常識ではないことがあり、上手くいかないこともあります。
だけど、それに腹を立てても仕方ありません。
日本に住む自分の常識と、他の国に住む人の常識を知って、自分が何を良いと考えているか、悪いと考えているか、自分の考え方がどこにあるのか確認できます。
それは人間関係でも同じではないでしょうか。
生きていくうえで大事な考え方の一つだと思いました。

自分の常識じゃないものを、嫌うとか認めるとかではなく、「知る」ということは、自分自身を知るということにもつながるんです。

まとめ

小橋さんは、今の自分を

その場で感じたこと、その時にできることを一つひとつやった結果、気づくとできた未来だった

と言っています。
その人生で得てきた、ワクワクを手にする方法、セカンドIDをもつ方法は、今自分の人生これでいいのかと思っている人に役に立つと思います。
小橋さんのように、自分を取り繕ってやりたいことができないでいる人、自分の人生はこれでいいのか悩む人に、自分を変える勇気をくれる1冊です。