書評

『「複業」で成功する』を読んでみた感想!現実的に副業・起業を考えている人にオススメ!

『「複業」で成功する』を読んでみた感想!現実的に副業・起業を考えている人にオススメ!

『「複業」で成功する』は、弁護士として働く傍ら、弁護士ドットコムを創業し経営者になり、同時に参議院議員を経験してきた元榮太一郎さんが書いた本です。
“三足のわらじ”を履いて活躍する著者が、自身の経験を通して、複数の仕事を持つということがどういうことかについて書いています。

具体的な経緯や法律の面からみた副業など、かなり現実的なことを知ることができます。今の組織で何歳まで働けるのか、はっきりとはわからない社会にいて、副業に関して興味がある人も多いと思います。
副業に興味はあるけれど具体的にイメージが湧かない人、起業したいと考えている人にオススメです。

勇気をもって一歩を踏み出す

終身雇用や年功序列といった日本の雇用システムは、すでに成り立たなくなってきています。
そんな社会で今の働き方について悩み、副業を検討している人も多いと思います。
まず、そんな人に著者から

安定が期待できない世の中だからこそ、自分に懸けてみるべき

勇気もって一歩を踏み出すことを考えてみてください

ということです。

これからの日本は、‟副業が解禁される複業社会“になっていく

といいます。
「副業」というのは、「本業以外の仕事」のことで、「複業」とは「複数の仕事をもつ」ということです。
大学を卒業し就職しても一生安心できる生活は手に入れられない、組織に頼らず生きていく方法を自分で考えなければならないといいます。

自分の働き方や生き方を変えることに不安な人も多いと思いますが、元榮さんは、弁護士から経営者、参議院議員と、この「複業という生き方」を実践し、そのメリットの大きさを実感しています。

どの方向に進むのも自分で選べるようになる

自分の可能性を信じ、これから自分に何が起こるかを楽しみにすればいい

ということです。

ぼんやりと副業のイメージを持っている私のような人間だと、実践より先に不安が浮かんでしまいます。
しかしそんな不安を持つ人に、この本は、「働き方改革」による副業解禁、経団連会長の発言など、実際に起こっている社会の変化を挙げて、今それに取り組むべき理由を具体的に示してくれていると思いました。
危機感だけでなく、期待感をもって自分の働き方を選んでいいと思えます。

どうして今それが必要なのかということについてわかりやすく説明されていて、まずは迷っているなら複業をやっていこう、そういう気持ちになれます。
またこの本は、著者自身の起業・複業を通して、より具体的に複業するイメージが持てるようになると思います。

「パラレルキャリア」を考えるべき時代

私たちは今、どんな時代を生きているでしょうか。それは

「パラレルキャリア」を考えるべき時代

なんです。

「パラレルキャリア」というのは、経営学者のピーター・ドラッカーが提唱した概念で、

ひとつではなく複数の活動を行うこと、並列したキャリアを築いていくことにより、自分の価値を高めていくという生き方の提案

だそうです。
ドラッカーがこれを提唱したのには、会社などの組織の寿命よりも人間の寿命のほうが長くなったという社会的変化が背景にあるといいます。
元榮さんによれば、今起きている日本の雇用システムの崩壊だけでなく、この先、社会のあり方が激変していくことは考えられるということです。そんな社会を生きていくために、

個として通用するようなスキルや人間性を身につけていくべき時代になった

といっています。

日本の従来の雇用システムがもう通じないことからも、なんとなく感じてはいたのに、

生きているうちに自分が所属している組織のほうが先に滅びる可能性は十分ある

と聞いて、本当にそうだと思いました。
ドラッカーがパラレルキャリアを提唱したのは20年くらい前ということで、本当にそういう社会が来ていることにも驚きです。

もうすでに、個人の人間性やスキルが重視される社会であることが実感できます。
副業が会社にもたらす影響、個人が複数の仕事を持つことで得られる効果についても言及されています。

「2つの顔」がもたらす「掛け算」の相乗効果

複数の仕事を持つことには、どんなメリットがあるでしょうか。それが

「掛け算」の相乗効果

です。

元榮さんは独立して弁護士ドットコムを創設した当初、経営者として働く一方、自ら法律事務所を設立して代表弁護士としても働いていました。
そうするなかで、法律事務所であっても経営力を高めていかなければならないことに気が付き、弁護士ドットコムの運営で得られたことを法律事務所にも生かしました。

またその逆で、法律事務所で相談者や依頼者と向き合うことで得られたものを、弁護士ドットコムで取り入れることを考えるようになり、新たなアイデアを生み出したといいます。
つまり

複業によって「2つの顔」、「3つの顔」をもつと、相乗効果が生まれる

というんです。

 複業をしている多くの人が、このような複業の効果を、掛け算のように跳ねあがっていくものとして実感しているそうです。
複数の仕事をすることによって、経験は増え、対応できるスキル、生かせるスキルはできていくといことが感じられました。

まだ複業を経験したことのない人にとっては、メリットよりも、複数の仕事を掛け持つなんて、ちゃんとできるのか不安の方が大きいかもしれません。
そういった不安をこの本を読むことで払拭できるかもしれません。

「どこに落とし穴」があるかを学んでおくのは大切な防衛手段

複数の仕事をするので、もちろん気を付ける点もあります。それが、

「どこに落とし穴」があるかを学んでおくのは大切な防衛手段

ということです。

もちろん、複業していてただメリットだけがあるわけではありません。
会社の規定については知っておくべきだし、業務が疎かになるようでは、副業も複業もできません。
また、業務上知り得た情報を他の場所で漏らさないよう心掛ける必要もあります。
競業他社、または異業種の会社であっても、副業ではこういった問題が起こりやすいといいます。

ノーガードで副業を始めれば、トラブルが起きることもあり得ます

ということです。

1つの仕事でも就業規則などいろいろなルールがあります。
それとは別に仕事を始めるのだから、新しいルールと合わせて守るのが当然に思いますが、最初はどうやっていくのか、どれくらい稼げるか…などに頭がいき、見落としがちになるんじゃないでしょうか。
ですが、ここを見落とすと、どの仕事も失いかねない大事なポイントだと思いました。

複業生活を楽しく過ごすために

神経質になりすぎる必要はありません。ここに書いてきたようなことだけでも最低限知っておき、少しだけ意識を高くしておくことです。

ということなので、心配な方は読んでみてはどうでしょうか。

心底やりたいかを見極めよ

この本を読んで、副業・複業・起業するイメージが湧いてくると思います。
それで自分も始めてみたいと思った人に、

心底やりたいか見極めよ

ということです。

元榮さんは起業を始める前に、2つのことを考えました。1つは、

まず自分がやろうとしていることが社会の風向きに対してどうなのか

ということです。
その場で、ナンバーワンになれるのかを考えたといいます。そしてもう1つは、

やるべきかどうかと検討しているビジネスに対して、心底やり抜きたい気持ちになれているか

ということです。
これらを考えたうえで、やるべきと判断できたときにはじめて具体的に動いたといいます。

何かを始めるときは、不安なので、決断の基準が曖昧になることもある。
そんなときどうするか、その一つの例を著者自身が示してくれていると思いました。
いつ始めればいいのか、分からない人はこれをよく掘り下げて考えてみればいいと思いました。

兼業型で「副業をどうするか」と迷っているときにも、同じようなことを考えてみるのがいいはず

とのことです。
これを読んで、著者のケースを参考にしてみてはどうでしょうか。

まとめ

この本は、単に複業を始める心がまえを解いた本ではありません。
著者の複業、起業の経験を読みながら、法律や制度など、具体的な面についても知ることができます。
副業をすることについてまだビジョンが明確でない人、起業を考えている人に、現実的で参考になる1冊です。