書評

人口減少社会のデザインを読んでみた感想!日本の将来が気になる人にオススメの本!

人口減少社会のデザインを読んでみた感想!
日本の将来が気になる人にオススメの本!

普段から気にはなっていたがあまり考えてなかった年金や社会保障、地域の治安、AIによる仕事の今後の変化が気になり始めてきました。
そのことを友人に話した際に友人からこの本をお勧めされました。

読んでみると日本の現状を歴史的な流れや海外の例を参考にしながら分析されています。
この本の中では、都市に集中する場合と地方に分散した場合の比較で分析されています。
互いにメリット、デメリットはありますが、最近勉強をしていなかった私にとっては2つの考えを比べながら読み進めることができるので、とても分かりやすかったです。

著者の広井良典さんは京都大学こころの未来研究センター教授をされている方で、公共政策や社会哲学の研究をされているそうです。
この本の中でも触れられていますが長野県庁と連携して「AIを活用した、長野県の持続可能な未来に向けた政策研究について」を公表している方です。

今後も日本に住むことを考えている方や将来の日本に漠然と不安を感じている方は、ぜひ読んてみていただきたい本です。

よかった箇所①: 「2050年、日本は持続可能か?」

日本の借金はGDPの約2倍にも膨れており、将来にツケを回しているそうです。
子供の世代にも関わる借金があるのは、将来の家族のことを考えるとどうにかしたいものです。

著者の分析ではいつか景気が回復して経済が成長していくから借金も減っていくという高度経済成長時代の発想があるとしています。
私は高度経済成長時代を経験したことがないですが、著者の分析のような風潮があるように感じます。
個人の視点でも将来のことより目の前の損得で行動してしまうこともあるため、個人にも言えることではないかと考えます。

よかった箇所②:21世紀は世界人口の増加の終焉と人口高齢化の世紀

本の中で中国の人口やOECD加盟国のデータから日本の人口減少と高齢化は日本だけの問題はないと説明されている。
特に中国は一人っ子政策の影響もあって2020年で相半ばには人口がピークに達し、人口減少の時代に入ると著者は分析しています。

日本は江戸時代以降から人口が急激に増えて1億2千万人まで増え、2008年をピークに2050年には1千万人まで減少するそうです。
高齢化も3割以上にも増えるそうです。

欧米でも高齢化が進んでいますが、韓国、香港、シンガポールといったアジアの国でも高齢化が進んでいるそうです。
原因は日本と同じ少子化であり、シンガポール、香港、韓国は日本よりも合計特殊出生率が低いそうです。

またこのような先進国で出生率が低い原因として女性の社会進出が進むと出生率が低くなるイメージを持ってしまうこともありますが、女性の社会進出の高い国ほど出生率は高いそうです。
女性の社会進出だけでなく、変化に応じた政策的な対応をできてい行けるかどうかが重要というのが著者の考えです。

よかった箇所③:”その場にいない人”の典型が「将来世代」

著者は日本人を”場”の空気を大事にする傾向が強いとしています。
実際私も会社の会議でも上司や得意先の機嫌をうかがった会話がされていることがよくあります。
この”場”の空気を大事にする傾向から”その場にいる人”に責任を負わせることができず、”その場にいない人”に押し付けがちになってしまうそうです。

同じことが国の決定でも起きており、”その場にいない人”である次の世代へツケが回されているそうです。
いないのに責任を負わされるなんて自分のことであればたまったものではないと思います。

よかった箇所④: 社会保障をめぐる現状

借金の話を出しましたが反対にどのように「分配」をするのかも気になります。
日本の社会保障は国際的にみて社会保障が大きいわけではないそうです。
イメージの通り北欧諸国が福祉関係は手厚いというデータが掲載されています。

日本がなぜ大きくな社会保障でいままでやってこれたのかというと、生涯にわたり保証をする「カイシャ」と介護と子育てを担う安定的な「家族」のおかげだと著者は分析しています。

しかしこれらは現代において流動化および多様化しているそうです。
自分の親が子育てにどれだけ協力してくれるかはわかりませんが、親の力を当てにすることも考えておいた方がよさそうです。

よかった箇所⑤: 「地方分散型」社旗のイメージ

日本は高度経済成長時代に都市へヒト・モノ・カネを集中させたため、その反動として地方ではシャッター街やゴーストタウンができていしまっているそうです。
日本で地方分散型といっても想像しづらいですが、本の中ではドイツの都市を紹介されています。
歩いて楽しむことができ、ゆるやかなコミュニティ的つながりが感じられる街だそうです。

スマートシティという言葉が日本でも聞くようになってきましたが、効率化や省エネということではなく、どう人々の幸福と結びつくことが課題とのことです。

まとめ

地方分散型か都市集中かは人によって分かれる選択になると思いますが、現代の問題に対して将来の世代にツケを回さず、自分たちの代で解決できる問題は解決に向かわせるという言うことに異論のある人はいないと思います。

今後50年で人口の減少は変えられないことですが、どのような行動をするかは変えていけることですので、自分や家族のことを考えて、行動していきたいと思います。

また、この本は全体的に政策や具体的なプランを提示しているのではなく、イメージや方向性を提示しているため、周辺知識がなくても理解でき、国の借金や社会保障の問題など、複数の問題を扱っていますが深くは入らないため、読みやすかったです。

日本の将来に不安はあるが何から手に取っていいかわからない方は読んでみることをお勧めいたします。