書評

【書評】クスノキの番人とは? 願いが叶う? 祈念とは何なのか?

クスノキの番人とは? 願いが叶う? 祈念とは何なのか?

今回書評させて頂く本とは「クスノキの番人」です。
私がこの本を読んでみてこの本の見どころとしては
(①クスノキの祈念とは何なのか?②主人公の母親と母違いの叔母の関係は?)
大きく分けて上の二つになっていると思います。
従って上の二つを中心に紹介していきたいと思います。

この本「クスノキの番人」は義理の兄弟、姉妹の接し方が分からないという人や家族で何か
問題やもやもやした物がある人にお勧めです。

内容の前に主要キャストについての説明と粗筋を説明していきます。
主人公「玲科」父親は幼いころからいなく母親と二人で暮らしていた。
玲科は水商売をしている母親と不倫関係に合った男との子供であり、不倫関係に合った男とは玲科は認知されていない。

「玲科の母親」玲科の母親には腹違いの姉がいます。
姉の名前は「柳澤千舟」です。
千舟と玲科の母親は腹違いということもありあまり仲が良くありません。
「姉 柳澤千舟」玲科の母親の姉であり、千舟は腹違いの妹に対して自分のプライドが邪魔して素直に仲良くなれません。

<粗筋>

その木に祈れば願いが叶うと言われているクスノキ。
その番人を任された玲科とクスノキを通じて起きる出来事が織りなす物語です。

不当な理由に解雇された玲科が怒り会社からお金を盗むがあっさり警察に捕まります。
玲科の言い分は効かなく起訴されます。
刑務所に入ることを覚悟した玲科だが祖母の富美から依頼された岩本弁護士から玲科に「自由の身になりたいのならば、釈放されたあと私のところに来なさい。そして命令に従うこと」という条件の書いてある手紙が渡ります。

玲科は条件を飲み釈放され、手紙の送り主のところに行くとそこには「柳澤千舟」という玲科には会った覚えのない叔母がいます。
手紙に書いてあった命令とはクスノキの番人になる事でした。
クスノキの番人の仕事は柳澤家の敷地内にある月郷神社の管理の為社務所に寝泊まりし、クスノキの管理をすることです。

クスノキの番人をしていくうちにクスノキに祈念をしに来る人達との出来事により、警察に捕まった時の玲科とは丸変わりした大人に成ってゆきます。
その玲科だが叔母の千舟が玲科をクスノキの番人にした本当の理由を考え、千舟が認知症であることを知る。
その本当の理由とは千舟による腹違いの妹への償いであった。
小さなプライドが邪魔し、腹違いの妹に姉らしい行動をさせてあげられなかったことに対しての償い。

そのうちにクスノキのルールや仕組みについて知ります。
その仕組みとは新月の夜に念を預ける人のことを予念者と言い、満月が近付けばそれを発するが受け取れるのは血縁関係にあるものだけであり、受け取る人を受念者ということであります。

<内容>

「それならなぜもっと長生きして、幸せな家庭を築こうとしなかったのか。一人息子を貧乏の境遇に残して、自分だけさっさとあの世に行ってしまうなんて無責任じゃないか」

この文には自分を貧乏の境遇に残してという怒りと速くあの世に行ってしまってという悲しみ、この二つが見受けられます。
自分がもしそのような立場になったらどちらの感情になるか考えてしまいました。

また玲科は母親が亡くなった時ひどく悲しんだのではと思いました。
クスノキの番人の本文によれば玲科の母親は水商売で家計を立てていた為昼間に起き夜に向けて化粧をし次の日の朝は酒臭い息のいびきをかきというこのループで母親と息子の玲科の交流は少なかったと考えられます。
母親と息子共にもっと交流をしたかったと思っているに違いないと上の文を読んで思いました。
やはりシングルマザーは厳しいのだなと改めて思わされました。
父親がいない事でそのような境遇に置かれた玲科は父親のことを憎んでいないのかと思いました。

余談だが女性は社会的な立場として男性より低いということが私は問題だと思います。
男性より優秀な女性は沢山いるのに女性という性別が違うだけで採用されない等の不平はなくすべきだと思います。
そのような事があった為玲科の家も貧しかったのではと思いました。

「やっぱり一緒に住む気はないのか?(千舟の父)
それは無理よ。やめておいたほうがいいと思う。お互いのために(千舟)」

これは腹違いの妹(玲科の母親)富美とその姉千舟が一緒に住むかどうかという話です。
千舟の胸の内には一緒に妹と住んで姉妹らしいことをしたいが父が再婚したことにちょっとした怒り(プライド)を持ち妹と一緒に暮らせないという結末です。

そのことによりシングルマザーの玲科の母親を助けてあげることが出来ず、千舟は玲科に対して申し訳なさを持っています。
申し訳なさを持っている為せめてもの妹への償いとして玲科を一人前の大人にするべく玲科にクスノキの番人を任せ、柳澤家の会合等に出席させていたのです。
そのことに玲科は後々気が付くことになります。

実際に義理の兄弟を持たないと分からない感情に千舟は長年苦しんでいたと思うとこうすればよかったのにとおもうことがありました。

「君はどんな将来を思い描いている?(柳澤将和…千舟の従弟)
はっきり言って、将来について思い描いていることなんて何もないです。
機械いじりがが少しできる程度で、学はないし、取り柄はないし、戦う武器は何も持っていません。
だけど、それは今までもそうでした。生まれた時から何もありません。
物心ついた時から父親はおらず…………だから死ぬときに何か持っていたら、俺の勝ちです。
そのようにして君の進んでいった先が行き止まりだとしたらどうする?(柳澤将和)
それに対して玲科は沈黙。」

柳澤家の会合であった会話です。
玲科は最終的に沈黙して言葉に詰まるが私は成長していると思いました。
ひと月前までは犯罪者として留置所にいた一人の男が経営のプロの柳澤将和等人が沢山いる中で上のことを述べてることは一つの才能であると思いました。

「皆さんこのままでいいのですか?
柳澤グループの経営理念は、代々柳澤家にによって伝われてきた念が基盤となっています。
その念とは三つの概念によって構成されるものです。
その三つとは努力、協力質素 この三つです。
その象徴がホテル柳澤です。
あそこには千舟さんの信念や理念が結晶となって残されています。
それらは決して古びないし、未来の指標として役に立つものばかりです。
実際、今も柳澤グループを支えています。
……僕がこの場でもっとも言いたいことはこれらのアイデアは殆ど千舟さんのものだということです。
……本当にそれでよいのでしょうか。(玲科)
確かに拝聴した。お疲れ様。これで満足かな?(将和)」

玲科は将和に一蹴されたが柳澤グループのホテルの存続は一年見送りになった為玲科の弁論は無駄ではなかったと思います。
是非クスノキの番人の本文で上の会話を読んで頂きたいと思います。
留置所に居た男が大企業で大々的に弁論するという成長ぶりには舌を巻くと思います。
また、千舟のコーチング能力にも感心すると思います。

千舟は認知症であり、玲科を一人前にし終えた後自殺する気であったが玲科が気付きます。ラストは感動シーンになり誰もが涙を出すと思います。

<まとめ>

今回はクスノキを書評してみたが是非クスノキを読んで頂きたいと思います。
家族に対しての価値観の変化が見受けられると思います。
東野圭吾さんの作品を一度は読んだことがある人は理解できると思いますがやっぱりラスト東野圭吾さんパワーによってあと残りが無くすっきりする構成になっている為お勧めです。